友人を探しにハローワークへ行った帰り、とあるマルチの勧誘に捕まった。
「どんな理想も必ず実現できるんです!
実現できない夢なんかありません!
今、亀頭さんの欲しい物を言ってください!」巨万の富、広大な土地、高級車、一等地の豪邸、海外の別荘、船、飛行機、顔より大きい宝石、色々な物を挙げられた。
「今の中で一番欲しい物は何でした?」どれも欲しかった。 しかし、そこで「巨万の富!」とか言ってしまうと相手のマニュアル通りに乗せられてしまう。
「今の中にはありませんね。」セールスマンはビックリしたようなおどけた顔を見せ、ニヤニヤしながら言った。
「もしかして男?イイ男が欲しいんですか?(笑)」くだらない。 イイ男なんかマルチで手に入るわけがないし、目の前のセールスマンの思い付く「イイ男」なんて、どーせ下らない人間だろう。
「いえ、そういう俗物ではないです。」セールスマンは再びおどけた表情を見せ、
「じゃあ何?何でもいいですよ。言ってみて?」と催促してきた。
「クラインの壷。」反応が見たかった。 しかしセールスマンは怪訝な顔で、
「クライン?ブランド?」と聞いてきた。
「ご存知ありませんか? クラインの壷ですよ。
カルバン・クラインとかブランドじゃないです。」セールスマンは困った顔をして、ソレが何かを聞いてきた。
「簡単に説明できるものではありません。
調べてみてください。
もしそれが手に入るのなら、そのビジネスやります。」連絡先を渡して別れた。
夜、電話が掛かってきた。
クラインの壷が何であるか調べた模様。
「本気であんなのが欲しいんですか?
手に入れてどうするんですか?」「欲しいですよ。部屋に飾るんです。」「でも、あれはさすがに無理ですよ・・・。
お金で買える物とかを目標にしないと・・・。」「私はクラインの壷以外に興味ありませんから。」こんな風にはぐらかして、セールスマンをかわしましょう。